「夜中に頭痛で起きちゃった…。産婦人科に電話するのもつらい、
夫が24時間営業のドラッグストアで薬を買ってきてくれるって言ってるけど…。
妊娠中って市販薬を飲んでもいいの?」
妊娠中は女性の体の変化が大きく、小さな不調に悩まされる方も少なくありません。
基本的に頭痛や発熱には医師から処方してもらう「カロナール錠」を使用しますが、それがもしなくなってしまっていたら、あなたはどうしますか?
目次
妊娠中、授乳中も飲むことができる市販薬
はるママ
薬剤師リリカ
妊娠中・授乳中は基本的に「自己判断での服薬はしない」ことが重要です。
これは小さい子供、とりわけ赤ちゃんなどにも言えることです。
例えば有名な解熱鎮痛薬の「ロキソニン」は小さい子供には使いません。妊娠中期以降の妊婦さんにも使わないお薬です。
「有名だから…以前よく効いたから…」といった自己判断が危険なことがよくあります。
今回は、応急処置で利用することのできる解熱・鎮痛薬についてお伝えします。
タイレノールA
ダイレノールAは「アセトアミノフェン」という有効成分を含む医薬品です。
妊婦さんが発熱・頭痛に悩まされたときにまず選択される医療用医薬品「カロナール」と同様の有効成分を持つお薬です。
赤ちゃんが熱を出したときに処方されるのもまた「カロナール」ですので、授乳中でも安全に使うことが出来るでしょう。
1錠300mgと医療用の成分と同じ含量で、しっかりした効果も期待できます。
用法容量
1回につき1錠、4時間以上間隔をあけて1日3回まで服用することが出来ます。
比較的安全に使用することが出来ますので、緊急時の為に1箱常備しておくといいかもしれません。
症状がひどいからと言って多めに服用せず、かならず用法・用量を守りましょう。
ラックル
ラックルもまた、ダイレノールAと同様「アセトアミノフェン」という有効成分を含むお薬です。
これもダイレノールAと同様、有効成分に「カロナール」と同じ成分を含んだ解熱鎮痛薬です。
「腰痛・神経痛に」と大きく記載されていますが、効能・効果の欄には「悪寒・発熱時の解熱に」としっかり記載されていますので、安心してください。
用法容量
1回につき1錠、4時間以上間隔をあけて1日3回まで服用することが出来ます。
このお薬は「速溶錠」という性質を持ったお薬で、水なしでも服用することが出来ますし、噛んで服用することのできるお薬です。
ダイレノールAとの違いは、水なしで服用できてしまうところでしょうか。
水分を摂るのが難しいとき、手持ちのペットボトルが空になってしまったときなどにでさえ使うことができます。
味もほんのりミントの味がして、飲みやすい製剤です。
成分比較表
カロナール 300 | タイレノールA | ラックル | |
---|---|---|---|
有効成分 | アセトアミノフェン | アセトアミノフェン | アセトアミノフェン |
有効成分量 | 300mg | 300mg | 300mg |
その他 | 乳糖水和物,結晶セルロース,部分アルファー化デンプン,ポリビニルアルコール,ステアリン酸マグネシウム,香料 | セルロース,アルファー化デンプン,ヒドロキシプロピルセルロース,カルメロースカルシウム(CMC-Ca),ステアリン酸マグネシウム,ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース),D-マンニトール,酸化チタン,タルク,カルナウバロウ | トウモロコシデンプン、セルロース、l-メントール、エリスリトール、ステアリン酸マグネシウム、無水ケイ酸、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル共重合体、ヒドロキシプロピルセルロース、アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)、アセスルファムカリウム、赤色3号 |
アセトアミノフェンなら安心
上記2商品の紹介をさせていただきましたが、妊婦さん・授乳婦さんが選ぶべきは「アセトアミノフェン」と言う成分です。
これは「カロナール」と同じ成分で、1回1錠300mg程度の場合は医師の処方と同様になります。
緊急時お薬を探す際は、薬剤師や登録販売者に「アセトアミノフェン」のお薬が欲しい、ということを伝えましょう。
この「アセトアミノフェン」と言う成分、ルルやパブロンなどの総合風邪薬にも含まれています。
総合風邪薬の成分表を見て、「あ!アセトアミノフェンだ!」と購入してしまうのは危険です。なぜなら、総合風邪薬は鼻水や咳に向けた他の有効成分も含んでいるからです。
その中には妊婦さんや授乳婦さんに望ましくない成分が含まれていることがあります。
お薬を購入するときは、慌てずによく確認しましょう。分からない場合はお店の人に必ず聞いてください。
市販薬は緊急時にとどめ、病院で診察を受けましょう
冒頭でもお話した通り、妊婦さんや授乳婦さんの服薬は医師の指示に従い、処方していただくことが基本となります。
今回紹介したお薬はあくまでも緊急時での知識として、覚えておいてください。
相談、診察は産婦人科へ
解熱鎮痛薬に関わらずですが、妊娠しているときの体の不調は、なんでもかかりつけの産婦人科医に相談してください。
「風邪を治療するのは内科」「花粉症は耳鼻科」と思われがちですが、医師も専門がそれぞれ違うため、妊婦さんの薬物治療に精通していない先生もいます。
自分の身体や赤ちゃんの身体を守るため、妊娠中は必ず専門医である産婦人科医に相談しましょう。
市販薬を選ぶ時は、有効成分アセトアミノフェンをチェック!!
今回は妊婦さんや授乳婦さんに使える市販の解熱鎮痛薬について解説しました。
キーワードは「アセトアミノフェンを単剤で含むお薬」です。
自分で買いに行ける時や、自宅にあるものを服用する際は成分を良く確認しましょう。
登録販売者、薬剤師が薬の専門家です!
わからなければドラッグストアや身近な専門家に相談してください。
お薬を販売しているドラッグストアには、営業時間であれば基本的に登録販売者か薬剤師は常駐しています。
はるママ
薬剤師リリカ
「基本的に産婦人科医に相談する」の原則は変わりませんが、緊急の際にこの知識がお役に立てれば幸いです。

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